介護士から見たユマニチュード
私が以前から現場で実践していた体験1
入浴は、認知症の人が拒否や嫌悪感を出すことが多い

入浴は、認知症の人が拒否や嫌悪感を出すことが多い生活習慣です。以前から、認知症の人への入浴の声かけは特に稚拙にしてはいけないという思いがありました。慎重に・・・と言ったら大げさですが、今まで楽しそうに会話していた人が「お風呂」と聞いて、急に気性を荒げてしまうということもありました。
入浴は、とてもさっぱりして清々しい気持ちにはなりますが、浴場にいくまでは頑なな気持ちにさせてしまうことが多々あります。
- 洋服を人前で脱ぐのがいやだ
- 入浴するのが億劫だ
- 人に言われて入浴するのが嫌だ
- 家のお風呂に入りたい
- 昼間にお風呂に入りたくない
認知症の人の気持ちは様々です。認知症の人への入浴介助は合意が得られなければ、お互いに身体的にも心理的にも負担の大きいことになります。
出会いが肝心・・・これはユマニチュード?

入浴の声かけは「こんにちは。○○です。今日は暑いので汗をかきますね。」名乗りと世間話から入ります。「お風呂が沸いたのでお誘いに来ました。汗を流しにいきませんか。」ご一緒したいという思いを伝えてお風呂のお誘いをします。
いきなりズカズカと目の前に現れて、「△△さん、お風呂に行きましょう!」と車いすに乗った患者△△さんをサ~っと連れて行ってしまう介護士さんもいます。やさしい物腰の話し方はしていますが、粗暴な行動に感じました。
段階を踏んだ会話をしてお誘いをすれば、ケアする側に嫌悪感を感じることも少なく浴場までの道のりも明るい表情で向かっていただけます。お風呂に入っても気持ち良く過ごして頂けると、こちらも心地よくケアできた喜びがあります。楽しい時間を共有できた、という感情がわいてきます。
その日その日の入浴を大事にすると同時に、「お風呂に入ると気持ちがいい」「楽しかった」どんな気持でもいいのでプラスの感情記憶を持ってほしいと願います。これはつまり、ユマニチュードのプロセスを踏んだ介護に相当するのではないでしょうか。