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ユマニチュードを認知症介護に取り入れる~入門書と介護師の声~[認知症の窓]
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ユマニチュードとは何か

ユマニチュードが注目される理由

国内の認知症とその予備軍の高齢者は合わせて860万人余り、高齢者の4人に1人に上ります。

従来の医学、つまり病院で行われる「治療」は、必要な検査や治療を理解して協力してくれる人を対象としてきました。

ところが、認知機能が低下してきた人たちに対して「治療」ができず、どのような対応をしてよいのか、家族はもちろんのこと、医療や介護の現場でさえも途方に暮れることが増えています。

そのような認知症の人にも有効なケア技法として、フランスのイヴ・ジネスト氏によって開発された「ユマニチュード (Humanitude®)」という技法に注目が集まっています。

当サイトは、同氏の書籍「ユマニチュード入門 / 本田美和子」を読んだ実際に介護現場で働いている介護士の、ユマニチュードに対する見解を掲載しています。

ユマニチュードとは

ユマニチュードとは認知症のケア技法として、NHK「クローズアップ現代」「あさイチ」を始めとして、当サイトでも紹介している本田美和子著「ユマニチュード入門」という書籍の発売によっても話題になっています。

ユマニチュードという言葉は、フランス領の植民地に住む黒人が「黒人らしさを取り戻そう」と始めた「ネグリチュード」を元に、人(ヒューマン)とかけ合わせたものです。

ユマニチュードは多岐にわたる150以上の細かい実践技術、例えば手足の硬縮をときほぐす方法などでも注目されますが、同時にその技法を支える「人とは何か」「ケアをする人とは何か」を問う哲学から成り立っています。

「人間らしさ」を尊重し続ける状態、つまり「個人として尊重する」こと、ユマニチュードはその一点に集約されます。

ユマニチュードの概要

「個人として尊重する」ことをユマニチュードでは下記のように考えます。

  1. 能力や状態を正当に観察・評価・分析する
  2. 見つめ、話しかけ、触れ、立つことや移動を効果的にサポートする
  3. 本人の行動に対して矯正や抑制を行わない環境を提供する

固い言葉で書くとこうなりますが、一つ一つをよく見ると取り立てて特別なことではなく、私たちが普段から何気なくしている「相手の気持ちを想像して人と接する」ことに他なりません。

このうち、ユマニチュードのケアの柱となるのは、(2)にある「見る」「話す」「触れる」「立つ」ことの援助です。

例えば、「見る」の中には「視線を合わせてゆっくり近づく」など、それぞれに基本的な技術はありますが、それも「相手を個人として尊重する」という哲学に基づいています。

このことから、(3)に見られるように、ユマニチュードでは過剰なケアはせず、人の「できる力」を信用し、最低限の援助で能力を引き出すことも重要なことの一つです。

ユマニチュードにおける認知症とは?

私たちが普段の生活で、全ての人を個人として尊重して応対するのが難しいのと同じように、多くの介護現場ではそのようなケアが難しいのも現実です。

従来の医療において、認知症に対する視点は「忘れることは悪いことである」ということを前提として、「忘れないようにさせる治療」に重点がおかれていました。

けれども、忘れていくという高齢者の変化を克服されなければならないものとして捉えてしまうと、介護する側もされる側も絶望してしまいます。

ユマニチュードでは認知症の中核症状である「忘れてしまう」ということを個人の魅力の一つとさえ考えます。2004年の読売文学賞・本屋大賞を受賞した「博士の愛した数式」の主人公も、記憶や認知に障害をもっていましたが、その魅力的な人柄もあって映画化までされました。

ユマニチュードでは「認知症患者」とひとくくりにするのではなく、その人の個性に「認知・記憶障害」という魅力が加わったと捉えるのです。

ユマニチュードの発するメッセージ

  • 「あなたのことを理解したいと思っている」
  • 「あなたに理解されたいと思っている」
  • 「私はあなたを信頼している」
  • 「あなたと一緒にいることができて私はうれしい」

これは認知症だけにとどまらず、うつ病の人のケアや保育の現場、或いはまた営業担当者の研修など、応用範囲は多いのではないかと期待されています。

ユマニチュード入門書籍のご案内

ユマニチュード入門 / 本田美和子

  • <書籍データ>

    • 発売日:2014年06月
    • 著者:本田 美和子/イヴ・ジネスト/ロゼット・マレスコッティ
    • 出版社:医学書院
    • サイズ:単行本 A5
    • ページ数:148ページ
    • SBN978-4-260-02028-2
  • <主な目次>

    • はじめに
    • Section 1 ユマニチュードとは何か
      1 ケアをする人と受ける人
      2 その人に適したケアのレベル
      3 害を与えないケア
      4 人間の「第2の誕生」
    • Section 2 ユマニチュードの4つの柱
      1 ユマニチュードの「見る」
      2 ユマニチュードの「話す」
      3 ユマニチュードの「触れる」
      4 ユマニチュードの「立つ」
      5 人間の「第3の誕生」
    • Section 3 心をつかむ5つのステップ
      第1のステップ-出会いの準備
      第2のステップ-ケアの準備
      第3のステップ-知覚の連結
      第4のステップ-感情の固定
      第5のステップ-再会の約束
    • Section 4 ユマニチュードをめぐるQ&A
      ユマニチュードとの出会い
      著者紹介

    魔法? 奇跡? いえ「技術」です。
    「この本には常識しか書かれていません。しかし、常識を徹底させると革命になります。」——認知症ケアの新しい技法として注目を集める「ユマニチュード」。攻撃的になったり、徘徊するお年寄りを“こちらの世界”に戻す様子を指して「魔法のような」とも称されます。しかし、これは伝達可能な《技術》です。「見る」「話す」「触れる」「立つ」という看護の基本中の基本をただ徹底させるだけですが、そこには精神論でもマニュアルでもないコツがあるのです。開発者と日本の臨床家たちが協力してつくり上げた決定版入門書!
    (医学書院より)

 


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